

中学生の平均的な勉強時間とは?データで見る「普通」の実態
「うちの子、毎日どのくらい勉強すればいいんだろう?」
「まわりの子ってどれくらい勉強してるの?」
という疑問は、多くの保護者の方が抱くものです。
また、中学生本人も「この勉強量で大丈夫かな…」と不安になることも少なくありません。
ここでは、最新の調査データをもとに、
中学生の学年別・時期別の勉強時間について詳しく解説します。
平日の平均学習時間は「約1時間半」
まず前提として、ここでの「勉強時間」は、
学校の授業時間や塾・習い事を除いた「家庭学習」の時間を指しています。
2024年に株式会社デルタXが発表した調査によると、
中学生の平日における学年別の平均勉強時間は以下の通りです。
・中学1年生:約60分
・中学2年生:約98分(1時間38分)
・中学3年生:約111分(1時間51分)
このように、学年が上がるにつれて家庭学習の時間も増加していることがわかります。
全体の平均は「約1時間27分」となっており、
「毎日1時間半勉強していれば“普通”と言える」状態が、データから読み取れます。
休日は勉強時間が大幅にアップ
平日は部活動や習い事などで時間が取りにくい分、
休日には多くの中学生がまとまった学習時間を確保しています。
調査によれば、休日に「3時間以上勉強する」と回答した中学生が約3割にのぼっており、
平日とのメリハリをつけて学習時間を設けていることが見てとれます。
特に受験学年である中学3年生は、
休日を「一気に勉強に集中する日」として活用しており、
5〜6時間以上勉強する生徒も一定数存在します。
こうした傾向から、「平日は1時間半前後、休日は2〜3時間以上」というのが、
現代中学生のスタンダードな学習スタイルといえるでしょう。
定期テスト前は「3時間半」が標準ライン
さらに、定期テスト前になると学習時間は一段と増加します。
PR TIMESによる別の調査では、
テスト直前期における中学生の平均勉強時間は「約3時間半」とされています。
これは平常時と比較して「約2時間の増加」に相当します。
また、8割近くの生徒がテストの「1〜2週間前」から
準備を開始していることもわかっており、
多くの中学生が「計画的なテスト対策」に取り組んでいることがうかがえます。
学年別の学習時間の伸びに注目すべき理由
中学1年生と3年生では、1日の勉強時間に約50分の差があります。
これは単純に「受験が近いから」という理由だけではありません。
学年が上がるごとに、宿題の量が増え、学習内容も難しくなるため、
自然と勉強にかける時間も長くなるのです。
また、進路の意識も中学3年生では強くなるため、
自主的に学習時間を増やす傾向が高くなります。
「今は1時間しかできていない…」と不安になる必要はありません。
学年とともに自然と学習量が増えるのは、ごく普通の成長の一部と捉えて良いでしょう。
「平均」にとらわれすぎる必要はない
ここまで学年別・時期別の「平均学習時間」を紹介してきましたが、
あくまでこれらは「全体の傾向」にすぎません。
大切なのは、周囲と比較して焦ることではなく、
「自分にとって必要な時間を確保できているかどうか」です。
たとえば、集中力が高く短時間で成果を上げられる子もいれば、
時間をかけて丁寧に理解を深めていくタイプの子もいます。
同じ「1時間半」の勉強でも、内容や効率によってその価値は大きく異なるのです。
そのため、単に「平均時間を超えていれば安心」「下回っていれば焦る」といった
短絡的な判断は避けるようにしましょう。
なぜ勉強時間を継続するのが難しいのか?中学生にありがちな失敗とその原因
どれくらい勉強すれば良いのかは分かっていても、
継続して勉強に取り組むことが難しいというのが現実です。
この章では、中学生が「勉強時間を継続できない原因」となっている
代表的なパターンを紹介し、その背景にある心理や習慣について解説します。
1. 勉強=“義務感”と捉えてしまっている
多くの中学生は、
「勉強はやらされるもの」
「親や先生に言われて仕方なくやるもの」
という認識を持っています。
このような「外発的動機づけ」の状態では、勉強を継続することが困難です。
やらされていると感じる行動は、モチベーションが持続しづらく、
習慣化にもつながりにくいのです。
特に、勉強の目的が「怒られないため」「テストで悪い点を取らないため」といった
“マイナスを避けること”に偏っている場合、精神的な負担感が大きくなり、
続ける力が削がれていきます。
2. 目標が曖昧で、ゴールが見えていない
目標を立てている中学生はいますが、その内容が具体的でない場合、
日々の行動に落とし込むのが難しくなります。
たとえば、「数学を頑張る」という曖昧な目標ではなく、
「次の模試で方程式の問題を8割以上解けるようにする」
「毎週日曜は30分間、図形問題を解く」など、
行動に直結する小さな目標に落とし込まれていないと、
モチベーションの維持が難しくなります。
3. 時間の管理ができていない
スマホ、テレビ、ゲームなど、日常の誘惑が多い中で、
明確に「〇時から〇時まで勉強する」と決めていないと、
あっという間に時間が過ぎてしまいます。
特に思春期の子どもは、“気分”に流されやすく、計画を立てずに過ごすと、
先延ばしや「今日は休みでいいや」という判断が連鎖し、勉強習慣が崩れてしまいます。
4. 学習環境が整っていない
集中して勉強するためには、適切な学習環境が不可欠です。
しかし、スマホが常に手元にあったり、
テレビの音が聞こえるリビングで勉強していたりすると、集中を維持するのは困難です。
また、机が散らかっていたり、必要な教材がすぐに取り出せないような状態では、
勉強を始めるまでに手間がかかり、それだけでモチベーションが削がれてしまいます。
5. 達成感や成功体験が少ない
継続には、「できた!」「成長している!」という実感が欠かせません。
ところが、定期テストの点数にしか達成感を感じていないと、
「努力しても結果が出ない」と感じることが多くなり、
勉強への意欲が下がってしまいます。
勉強には“時間をかければすぐ成果が見える”ものと、
“積み上げていくうちに後から効いてくる”ものがあります。
後者は特に継続が難しく、モチベーションの維持には工夫が必要です。
このように、中学生が勉強時間を継続できない背景には、
思考パターンや生活習慣、学習環境など様々な要因があります。
継続できる勉強時間の作り方と中学生に効果的な習慣化のテクニック
中学生が「毎日勉強する習慣をつけたい」と思っていても、現実には部活や学校行事、
家の事情など、さまざまな障壁があります。
しかし、勉強時間は「時間があるからするもの」ではなく、「意図的につくるもの」です。
この章では、中学生でも無理なく継続できる勉強時間の作り方と、
日々の生活に自然と勉強を組み込むための具体的な工夫を紹介します。
1. 勉強の“ゴール”を小さく・具体的に設定する
大きすぎる目標は「やる気を削ぐ」原因になります。
たとえば「数学の問題集を全部終わらせる」ではなく、
「今日は1ページだけ」「3問だけ解く」といった小さな目標に分けることで、
達成しやすくなり、成功体験が積み重なります。
また、「〇分勉強する」という時間管理よりも、
「〇問解いたら終わり」と“タスク型”にする方が集中力が持続することも多いです。
勉強に対する心理的ハードルを下げることが、継続の第一歩です。
2. 「勉強するタイミング」を毎日固定化する
勉強を継続できない理由の1つに、
「今日は疲れてるから…」「明日まとめてやろう」
という“判断疲れ”があります。
これを防ぐには、「時間を固定する」ことが最も有効です。
たとえば、
・学校から帰ったら30分だけ机に向かう
・夕食後にリビングではなく自室で英単語をやる
・21時〜21時30分は数学の復習時間にする
といったように、「やる内容」と「やる時間」を決めてしまえば、
その時間になると自然と勉強モードに切り替わります。
人間の脳は“習慣”に弱いため、最初の1週間を頑張れば、
2週目以降は驚くほどスムーズに行動できるようになります。
3. 「5分だけでもOK」から始めるマインド
「1時間もやらないと意味がない」と思ってしまうと、
少し疲れた日には何もしなくなってしまいます。
ですが、実は「1日5分だけでも机に向かうこと」が大切な積み重ねになります。
心理学では「作業興奮」と呼ばれる現象があり、5分でも始めると集中が高まり、
そのまま30分以上続けられることも珍しくありません。
まずは「やる」ことを目的にし、短時間でも“行動を続ける”ことに価値を置きましょう。
4. スマホとの距離を制限する
中学生の学習時間が奪われる最大の原因の1つがスマートフォンです。
通知やSNS、ゲームアプリが気になって、
机に向かっても集中できないことは誰にでも起こり得ます。
有効な対策は以下の通りです
・勉強中はスマホを別の部屋に置く
・タイマーを使って「勉強中は通知を見ない」と決める
・アプリ使用時間制限を設定する(保護者の協力も効果的)
スマホは勉強の邪魔になるだけでなく、
「今日は集中できなかった…」という罪悪感を生み、
翌日のやる気を奪うことにもつながります。
環境から誘惑を排除することが、習慣化のカギです。
5. 勉強した時間・内容を「見える化」する
勉強の継続を助けてくれるのが、“見える成果”です。
たとえば、学習管理アプリや手帳に、以下のような記録をつけていく方法があります。
・何時から何時まで、どの科目をやったか
・解いた問題数、読んだページ数など
・今日の感想(できた・できなかった)
これを習慣にすることで、
自己肯定感が高まり「昨日もやったから今日も頑張ろう」
というモチベーション維持につながります。
グラフ化するアプリやシールを使った手帳など、
楽しく管理できるツールを使うのもおすすめです。
6. 家族の声かけやサポートも習慣化の支えに
中学生自身の努力だけでなく、家庭環境の支えも習慣づくりには重要です。
たとえば、毎日同じ時間に「そろそろ勉強の時間だね」と声をかけてもらう、
終わった後に「よく頑張ったね」と一言もらうだけでも、
継続のモチベーションになります。
特に、家族が“勉強している姿勢”を尊重してくれるだけで、
「自分は応援されている」という安心感が生まれ、やる気にもつながります。
このように、継続的な学習習慣は、気合や根性ではなく、
「仕組み」と「環境」によってつくられます。
理想の1日のスケジュールと生活の中に自然と勉強を取り入れるコツ
中学生にとって、毎日の生活の中に勉強時間をどう組み込むかは非常に重要なテーマです。
やる気がある日だけ勉強するのではなく、
「生活の一部として勉強が当たり前になっている」状態をつくることが、
継続と成績向上のカギです。
この章では、無理なく勉強を日常に取り込むためのスケジュール例と、
その工夫を紹介します。
1. 「学校のある日」の理想的なタイムスケジュール
まずは、部活がある平日を想定した、理想的な勉強スケジュールの一例です。
時間帯 | 活動内容 |
06:30 | 起床、朝の準備 |
07:00~07:20 | 朝学習(英単語、漢字、計算など軽めの勉強) |
07:30 | 登校 |
08:00~16:00 | 学校生活(授業・部活) |
17:00 | 帰宅・軽食 |
17:30~18:00 | 休憩(ゲーム・スマホOK。ただし時間制限) |
18:00~18:30 | 宿題タイム |
18:30~19:00 | 夕食 |
19:00~20:00 | 自主学習(苦手克服・予習復習) |
20:00~20:30 | 入浴・リラックスタイム |
20:30~21:00 | 明日の準備、読書、軽い勉強 |
21:30 | 就寝 |
このスケジュールのポイントは、
「勉強時間を1日2~3回に分けて短時間ずつ確保している」ことです。
長時間まとめてやろうとすると集中力が続かず挫折しやすいので、
朝・夕方・夜と3回に分散させるのが現実的かつ効果的です。
2. 「勉強のある休日」の理想的なスケジュール例
次に、模試や試験勉強など「本気で勉強したい休日」のモデルです。
時間帯 | 活動内容 |
07:00 | 起床・朝食 |
08:00~09:30 | メイン勉強1(理科・社会など暗記系) |
09:30~10:00 | 休憩(散歩・音楽など) |
10:00~11:30 | メイン勉強2(英語・国語など記述系) |
12:00~13:00 | 昼食・自由時間 |
13:00~14:30 | 問題演習・模試復習など |
14:30~15:00 | 休憩 |
15:00~16:00 | 自主課題・学校の宿題 |
16:00以降 | リラックスタイム、家族との時間など |
合計で5~6時間程度の学習を目指す構成です。
集中力が途切れる前に必ず“間の休憩”を入れることが持続のコツ。
タイマーで管理しながら勉強時間と休憩時間を明確に区切ることで、
学習効率が高まります。
3. 生活習慣の見直しが継続の土台になる
勉強を習慣にするうえで、実は「生活リズム」の影響は非常に大きいです。
以下の3点を整えることが、勉強の継続力に直結します。
・早寝早起き:22時〜23時には寝て、朝は6時台に起きる。夜の勉強効率は朝のリズムで決まる。
・朝食を抜かない:脳を働かせるにはエネルギーが必要。空腹では集中できません。
・運動・外遊び:1日30分程度、体を動かすことで集中力が回復しやすくなる。
まずは生活全体を整えることで、無理なく勉強時間を確保できる“地盤”ができます。
4. 家族と一緒に“予定”として勉強を扱う
学習を「気分でやるもの」ではなく、
「スケジュールに組み込むもの」として家族に共有しましょう。
たとえば、ホワイトボードやカレンダーに「●月●日 19:00〜数学」
などと書いておくことで、家族からの協力も得やすくなります。
・家族の協力で静かな環境をつくる
・勉強中に声をかけないでと事前に伝える
・勉強が終わったら「頑張ったね」と言ってもらえる習慣をつくる
このように、「家の中に勉強モードの空気をつくる」ことが、
長期的な勉強習慣をつくるための鍵になります。
5. 勉強と生活の境界をあいまいにする工夫
勉強を“特別なこと”とせず、日常に自然に入り込ませる工夫も有効です。
・歯磨き中に英単語を口ずさむ
・食事中に今日の授業内容を話す
・お風呂に暗記カードを貼っておく
・階段の上り下りで九九を唱える
こうした「ながら勉強」は、意識せず学習時間を積み重ねられるため、
“学習体質”の土台になります。
勉強時間が続かない中学生に共通する原因と、習慣化のための具体的な対策
勉強を始めたはいいものの、数日でやめてしまったり、
部活やスマホに気を取られて机に向かえない、という声は珍しくありません。
この章では、勉強が継続できない中学生にありがちな原因をいくつか取り上げ、
それぞれに対して具体的な改善策を提示していきます。
1. 「最初から完璧を目指してしまう」思考
勉強習慣が続かない子に多いのが、
「1日2時間やる」といった高すぎる目標を最初に掲げてしまうケースです。
もちろん意欲は大切ですが、急に生活に大きな変化を入れるとストレスになります。
結果、3日目くらいで嫌になってしまい、「自分には無理だ」と自己否定に繋がることも。
対策
まずは「10分だけ机に向かう」など、小さな行動から始めましょう。
心理学ではこれを「スモールステップ」と呼び、
脳の抵抗感を抑えながら習慣を形成する方法として知られています。
10分のつもりが、やり始めたら30分集中できた、ということもよくあります。
2. 「やる気が出てから勉強しよう」と考えてしまう
人は感情に流されやすいため、「今日はやる気がない」「気分が乗らない」という理由で、
勉強を後回しにしてしまう傾向があります。
しかし実際には、やる気が出てから行動するのではなく、
「行動することでやる気が出る」ことの方が多いのです。
対策
勉強のスタートルールを決めましょう。
たとえば、「帰宅したら制服のまま5分だけ机に向かう」など、
トリガー(行動の引き金)を設定します。
このような“きっかけ”があると、行動のハードルがぐっと下がります。
3. 「時間があるときにやろう」として勉強を後回しにする
中学生の生活は、部活・学校行事・スマホ・ゲームなど誘惑が多いため、
空いた時間にやろうと思っても、結局できないことが多いです。
対策
「いつ・どこで・何をやるか」を事前に決めておきましょう。
たとえば、
「月曜・水曜・金曜は18時~18時半にリビングで社会の一問一答をやる」などです。
このように具体的な予定として組み込むことで、やるべきことが曖昧にならず、
後回しにしにくくなります。
4. 「勉強=机でがっつりやるもの」と思い込んでいる
机に向かうことだけが勉強ではありません。
通学中の単語チェック、風呂場での暗記カード、寝る前の音読など、
スキマ時間も立派な勉強です。
対策
「ながら勉強」を取り入れてください。
勉強=重たい行為というイメージを壊すことで、勉強への心理的抵抗が減ります。
また、アプリを使って英単語や歴史年号をゲーム感覚で学ぶなど、
「気楽さ」と「継続性」を両立させましょう。
5. 周囲との比較で自己肯定感が下がる
「友達は塾に通っていて成績も良い」
「あの子は毎日3時間勉強している」
こんな風に他人と自分を比べて落ち込んでしまい、
やる気を失ってしまうパターンも多いです。
対策
勉強は「他人との比較」ではなく「昨日の自分との比較」で見るべきです。
たとえば、「今日は昨日より10分長く勉強できた」
「昨日は数学しかやれなかったけど今日は英語もできた」というように、
自分の中での成長を可視化しましょう。
勉強記録アプリや手帳を使って学習内容を記録するのもおすすめです。
進歩が目に見えると、達成感が得られ、モチベーション維持にも繋がります。
6. 親が干渉しすぎてしまう
最後に、保護者との関係が勉強習慣に影響しているケースもあります。
親からの過干渉やプレッシャーによって、
逆に反発したりストレスを感じたりする中学生も少なくありません。
対策
保護者には「見守るスタンス」をお願いしましょう。
たとえば、勉強している姿を見たら「がんばってるね」と一言だけ声をかけ、
あとは干渉しない。あるいは、一緒に勉強時間を決めて、
守れたらちょっとしたご褒美を用意する、などの協力体制が理想です。
勉強時間の質を上げるための工夫とおすすめの学習スタイル
中学生にとって、「勉強時間を確保すること」と同じくらい重要なのが、
「その時間をどう使うか」です。
たとえ2時間机に向かっていたとしても、内容が頭に入っていなければ、
実質的な学習効果はゼロに近いと言っても過言ではありません。
この章では、勉強時間の“質”を高めるための具体的な工夫と、
自分に合った学習スタイルの見つけ方について解説します。
1. 集中力を高める「環境設計」
まずは「集中できる環境づくり」が、質の高い学習の第一歩です。
中学生の集中力の持続時間は、平均して15〜30分程度と言われています。
この限られた時間を有効に使うには、気が散らない空間の工夫が欠かせません。
具体的な工夫
・スマホは手の届かない場所に置く(理想は別の部屋)
・机の上には勉強に必要なものだけを置く
・BGMは控えめに、または無音がベスト
・時間を決めてタイマーを使う(ポモドーロ・テクニックなど)
また、「同じ時間帯に同じ場所で勉強する」というルーティンを取り入れることで、
脳が「この時間は集中モード」と認識しやすくなります。
2. 視覚・聴覚・運動感覚を活かす「マルチ感覚学習」
学習スタイルにはいくつかのタイプがあり、
人によって「目で見る方が覚えやすい」「声に出した方が理解しやすい」など、
効果的な方法が異なります。
自分に合った学習スタイルを見つけることで、
同じ時間を使っても吸収量が格段に変わります。
視覚型
・ノートに色分けして整理
・マインドマップや図解で知識を可視化
・フラッシュカード(単語カード)などの反復
聴覚型
・音読する(英語・国語だけでなく理社も有効)
・学んだことを誰かに説明してみる(アウトプット効果)
・教材の音声版(YouTube・英語リスニング教材)を利用
運動型(動作記憶)
・書きながら覚える(手を動かすと記憶定着しやすい)
・立って読んだり歩きながら暗記したりする
・スキマ時間に「手を使って動く系の暗記法」を入れる
自分がどのタイプかを意識して、時間の使い方を最適化していくことが大切です。
3. 学習の「前後」に注目することで記憶効率アップ
「勉強の中身」だけでなく、
「勉強前」「勉強後」の行動も学習効率に大きく関わります。
勉強前
・軽いストレッチや深呼吸で脳をリセット
・その日の目標を明確にしておく(例:英語20問復習)
勉強後
・学んだ内容をざっと書き出してみる(アウトライン化)
・親や友達に「今日はこれを覚えた」と話す(記憶の定着)
また、就寝直前の勉強は記憶に残りやすいことが複数の研究で証明されています。
特に英単語や漢字、歴史の年号など暗記系は、
寝る前の10〜15分に取り組むと翌朝の定着率が高まります。
4. 学習ログで可視化する
「何をどれだけやったか」を記録することで、
学習のムラや伸びを可視化できるようになります。
方法
・勉強した教科・ページ数・時間をノートやアプリに記録
・1週間ごとに振り返りを行い、偏りを修正
・特に「何に時間がかかっていたか」も記録しておくと◎
記録することで、自分の努力を“見える化”できるため、やる気が維持しやすくなります。
また、勉強がマンネリ化してきたときの「自己改善」の材料としても使えます。
5. 時間よりも「密度」を意識する
例えば、60分ダラダラとやるよりも、25分×2本の方が集中力を維持しやすく、
学習の効率も高くなる傾向があります。
いくら長時間机に向かっていても、頭が働いていない状態では意味がありません。
ポイント
・ポモドーロ法(25分集中+5分休憩)を導入する
・「1教科に1時間」ではなく、「1タスクに30分」など粒度を小さくする
・タイマーを使って“勉強リズム”を意識する
このように、勉強時間の「量」と同じくらい、「質」にこだわることで、
限られた時間の中でも大きな成果を生むことができます。
まとめ:中学生が自分に合った勉強時間を見つけるために
ここまで、中学生の平均的な勉強時間から始まり、
年代別の目安、継続のコツ、勉強時間の質を高める工夫までを解説してきました。
この章では、これまでの内容を総括し、
明日から実践できる「自分に合った勉強時間」の見つけ方と、
そのための具体的なステップを紹介します。
1. 中学生の「理想の勉強時間」は画一的ではない
文部科学省やベネッセなどの調査から、中学生の平日平均勉強時間は約1〜2時間、
テスト前は2〜3時間という結果が多く見られました。
しかし、それはあくまで「平均値」であり、全ての生徒にとっての最適解ではありません。
学年や目標によって、必要な勉強時間は大きく変わります。
・中学1年生
まずは学習習慣を身につけることが最優先。
毎日30分〜1時間を安定して継続できるようにする。
・中学2年生
部活と両立しながら勉強時間を少しずつ増やし、
平日1〜2時間、テスト前には3時間程度が目安。
・中学3年生
受験を見据えた学習が本格化。
平日でも2〜3時間、休日は5時間以上が理想的。
このように「目安」はあるものの、
最も大切なのは「自分の目標達成に必要な時間を確保すること」です。
2. 勉強を継続させるための「3つの軸」
いざ始めようと思っても、最も難しいのが「継続」です。
意志の力だけでは限界があるため、以下の3つの軸を整えることがポイントとなります。
① 習慣化(時間・場所の固定)
・決まった時間に、決まった場所で勉強するだけで、集中モードに入りやすくなります。
・例えば「夕食後の19:00〜20:00は自室で数学」と決めると、脳がその時間に自動的に切り替わるようになります。
② 仕組み化(タイマー・記録)
・タイマーを使って集中する時間と休憩を明確に区切る。
・勉強内容や時間を記録するだけでも、自己評価やモチベーション維持に役立ちます。
③ 可視化(達成感を感じる工夫)
・「やった感」が見えるようにすることが重要。チェックリストやタスク表を活用して、小さな達成を積み重ねましょう。
・ノートの使い方も見やすく、復習しやすい形にしておくと、自信につながりやすいです。
3. 自分の勉強スタイルを見つけよう
継続には「楽しさ」や「相性の良さ」も重要です。
友達と一緒にやった方が集中できる人もいれば、
1人で黙々とやる方が合っている人もいます。
いくつかのスタイルを試しながら、
自分にとって一番ストレスなく学習に取り組める形を見つけていきましょう。
・朝型学習
朝30分の勉強を取り入れる。脳がリフレッシュされている時間帯なので暗記に向いています。
・夜型集中
学校や部活の後の時間を活かして、2時間集中するスタイル。夜に強いタイプはこちら。
・スキマ学習
通学時間や休み時間を利用して、英単語や漢字など軽い暗記ものに活用。
4. 「頑張りすぎない工夫」も大切
毎日3時間勉強するのが理想でも、それをいきなり始めようとすると、
多くの生徒は途中で息切れしてしまいます。
まずは15分の勉強を3セットなど、「小さな習慣」をつくり、
徐々に時間を伸ばすことが継続のコツです。
「今日は15分だけ英語をやる」と決めて、それを達成する。
できたら「自分はやれる」と自信がつき、勉強時間は自然と増えていきます。
頑張りすぎず、でもやめないこと。
それが勉強継続の本質です。
5. まとめ:勉強時間は「管理する」ものではなく「育てていく」もの
勉強時間は単なる「数字」ではなく、「日々の自分との対話」の結果です。
時間をかければ必ず成果が出るわけではなく、
少しずつ自分に合ったスタイルを見つけながら、柔軟に調整していくことが必要です。
今日からできる第一歩として、以下のことを始めてみましょう
・今日の勉強内容をノートに記録する
・タイマーを使って15分だけ集中する
・勉強に使う「専用の机・空間」を整える
・就寝前に英単語を5個覚える
これらはすべて、長期的な学習習慣の「種まき」です。
続けていくことで、いつの間にか「毎日2時間は当たり前」
という状態に変わっていくでしょう。
このように、中学生にとっての勉強時間とは、
決まった「型」に当てはめるものではなく、
「自分だけのリズム」を見つけて育てていくものです。
勉強を続けることは、将来の選択肢を増やすこと。
今日の一歩が、未来の自分をつくっていきます。
「続かない」を「続けられる」に変えたい方へ──個別指導塾ワイザーからのご提案
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。
中学生の勉強において、
「どれくらい勉強すればいいのか」
「どうすれば習慣化できるのか」
と悩んでいるご家庭は非常に多いです。
そして、私たちが現場で日々向き合っている生徒たちの多くも、
最初は「やる気がない」「集中できない」「自分は勉強が苦手だ」と思い込んでいました。
しかし、それは能力の問題ではなく、「やり方」や「環境」の問題です。
私たち個別指導塾ワイザーでは、単に授業を提供するだけでなく、
お子さま一人ひとりが“自分で勉強できるようになる”仕組みを提供しています。
✔ ワイザーの特徴
・学習習慣に特化した個別指導塾として、「自ら学ぶ力」の育成に注力
・生活リズムヒアリングと365日学習設計によるフルカスタマイズの個別カリキュラム
・専属講師による毎日の学習サポート&理解度管理
・保護者向け報告書やLINE通知で進捗を見える化
・学校の授業・定期テスト・提出物にも完全対応
これらの仕組みを通じて、成績向上だけでなく、
勉強に対する自己肯定感を育むことができます。
✔ 勉強が「続かない」お子さまが、なぜ「毎日できる」ようになるのか?
ワイザーが最も大切にしているのは、
「勉強を“やらされるもの”から“自分で進めたくなるもの”に変えること」です。
そのために、私たちは次のような支援を行っています
・毎日のスケジュールを10分単位で管理し、「今日はここまでやればいい」という明確な目標を設定
・生徒の行動特性に合わせた声かけや課題設定で、勉強のハードルを下げる
・週1回の授業だけでなく、非授業日も含めてタスクを提示し、学習の継続をサポート
・24時間質問対応により、「つまずいたらすぐ聞ける」安心感を提供
こうしたサポートの積み重ねにより、
「やる気がない」状態でも“やれる仕組み”が整っていくのです。
実際に、多くの生徒が「1日10分も机に向かえなかった」状態から、
「毎日1時間以上の勉強が当たり前になった」という変化を遂げています。
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